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Gates氏の再登板・会長退任も? CEO探し中のMicrosoft

 MicrosoftのSteve Ballmer氏がCEOとして最後になる株主宛公開書簡を発表した。1年前の書簡で掲げた「デバイスとサービス」ビジョンの重要性を改めて強調したが、それを具体化するのは、まだ決定していない次期CEOの役目だ。後任探しが進む中、株主からは会長を務めるBill Gates氏の退任を求める声も出ているという。外に目をやると、長年のOEMパートナーから「ライバル」宣言も突き付けられるなど、同社を取り巻く環境はさらに厳しくなっている。

「われわれは世界を変えた」

 2014年半ばに引退予定のBallmer氏が9月末に公開した株主宛書簡「株主、顧客、パートナー、従業員へ」は、終始、楽観的な内容となっている。この中でBallmer氏は、778億ドルを売上げた前会計年度の業績に触れ、デバイスとサービスカンパニーへの移行過程にあるこの1年の成果を報告した。

 「Windows 8を世界で発売した。PC、タブレット、スマートフォン、Xboxで一環したユーザーエクスペリエンスを提供した」とし、エンタープライズ側では「Windows Server」「Windows Azure」「Microsoft Dynamics」「Office 365」を挙げた。

 製品ローンチだけではない。7月に“One Microsoft”を発表して新しい組織構造の実装を開始し、9月にはNokiaのデバイス事業買収を発表している。One Microsoftとは「個人ユーザーとビジネスユーザーに、家庭、職場、外出先でユーザーが大切なアクティビティを行うためのデバイスとサービスの製品群を作る」と説明している。

 今後は、パートナーとともに「Windows 8.1」搭載したPCとタブレット、最新の自社ブランドタブレット「Surface 2」、ゲーム機「Xbox One」、そしてスマートフォンが登場する予定で、エンタープライズ側でも開発を進めていくとしている。

 「意思決定、戦略、新しい組織、それに世界クラスの才能、われわれが作成するデバイスとサービスにより、成長を遂げ、世界を変えるような技術を長期的将来にわたって届けることができる」と述べ、最後に「われわれは世界を変えた。記録を塗り替えるような成功を実現した。そして、最高の日々はこれからも続くのだ」とBallmer氏は記している。

(岡田陽子=Infostand)