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VMwareの「ESXi」無料版が復活 Broadcomの狙いは?

ライセンスでは強い姿勢も

 このところ、Broadcomのライセンス関係の動きが活発だ。

 4月初め、同社は「コアライセンスの変更」を行うとユーザーに通達した。必要な最小購入コア数を16コアから72コアに増やすというものだ。Broadcomの再販事業者であるArrowのフランス事業所が顧客に送った電子メールをThe Registerが入手して報じた。

 72コア未満でも料金は72コアとして請求されるため「8コアなどの小規模なサーバーの顧客は、自分たちが使わない64コア分を含む72コアの料金を支払わなければならない」とThe Registerは説明している。

 通知には、期限までにサブスクリプションの更新をしなかった顧客にペナルティを課すことも付記されていたという。影響を受けるのは主に、「vSphere Foundation」「vSphere Enterprise Plus」を利用する中小規模の顧客だ。開始予定は4月10日だった。

 だが、この変更は撤回されたようだ。ドイツの英字週刊紙The Munich Eyeによると、VMwareは最小購入数を16コアに戻したという。

 一方でライセンスをめぐって強硬な姿勢も見せている。

 3月、BroadcomはVMware製品のライセンス違反で、Siemensの米国法人を訴えた。Broadcomは「数千ものコピー」のソフトウェアが不正に使用されたと主張している。

 Broadcom側によると、2024年9月にSiemensがサポートの1年間更新オプション行使で提出したリストに、VMwareに購入記録のない製品が多数含まれていたという。これが不正使用を示唆すると主張している。

 無料版を復活するほか、ライセンスで硬軟両面の対応を同時に展開する。VMware by Broadcomは、硬軟を使い分けながら道を探っているように見える。