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スタートアップやソフトウェアに買収意欲 急ピッチで事業拡大を図るOpenAI

 OpenAIの企業買収の話が頻繁に飛び出している。直近では、AIコーディングスタートアップのWindsurfに対して30億ドルを提示して、買収交渉を行っていると報じられた。自社のLLMの活用のためと考えられるが、メディアによると、ほかにも多くの買収に食指を動かしており、非AIのソフトウェア、さらにはハードウェアまで広がってきている。OpenAIが事業拡大を急ぐのはなぜなのか――。

スタートアップに次々と買収オファー

 Windsurfは、同名のAI支援コーディングツールを提供するスタートアップで、4月はじめ、Exafunctionから改名した。AIツール「Codeium」で開発者に知られており、その製品名と社名を合わせて変更したところだ。2021年創業の同社は、AIコーディングの盛り上がりを受けて市場価値を高め、2024年の調達時の評価額は12億5000万ドルに達した。

 4月17日付のBloombergによると、OpenAIは約30億ドルでの買収を提示しており、同社にとって過去最大規模となる。だが、条件は未確定で、交渉は変更または破談になる可能性もあるという。

 この報道にあわせて、OpenAIが同じく人気のAIコーディングエディター「Cursor」を開発するAnysphereの買収を検討していたことも明らかになった。CNBCによると、OpenAIは昨年と今年の2回にわたってAnysphereに接触したが進展しなかった。またOpenAIはAIコーディングで20社以上の企業と話し合いをしていたという。

 そしてOpenAIの買収意欲はコーディング分野だけにとどまらない。4月7日付のThe Informationは、iPhoneなどApple製品のデザインで知られるJony Ive氏のスタートアップio Productsと買収を協議していると伝えた。io Productsは、生成AIを活用した新しいハードウェアを開発しており、Sam Altman氏が出資している。成立すればOpenAIのハードウェアへの進出となる。