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VMwareの「ESXi」無料版が復活 Broadcomの狙いは?
2025年4月21日 11:27
「VMwareがゲームに戻ってきた」
Broadcomは2023年末にVMwareの買収を完了したあと、ユーザーにサブスクリプションへの移行を促してきた。しかし、ユーザーにとっては多くの場合、料金の引き上げとなり、変更に対する不満が噴出した。
「サブスクモデルに切り替えた後、VMwareには批判が殺到した。CEOのHock Tan氏は“不安”が広がっていることを認め、Cloud Platform担当バイスプレジデントは“質問と懸念”に対応した」とTechRadarは振り返る。
一方、ライバルたちはこれを好機として動いている。NutanixはCommunity Editionとして無料提供する自社のハイパーバイザーを推進。Platform9は無料オプションとともにVMwareからのマイグレーションを狙ったパートナープログラムを開始したところだ。
以前から代替ソリューションとされてきたオープンソースのKVMのサポートも活発だ。例えば、Hewlett Packard Enterprise(HPE)は自社ハイパーバイザーのベースにKVMを選んだ。こうして、業界全体で顧客の「脱VMware」を支援する動きがある。
無料のESXi復活は、そんな中での最新の動きだ。
ソフトウェアの無料提供は、ユーザー獲得の手段のひとつだ。試した後に有料版のユーザーになる可能性があるからだ。今回の無償版復活は「新規顧客を引きつけるという戦略的な意思決定だろう」(TechRadar)という。
VMwareの強みは製品そのものの品質もさることながら、技術者コミュニティの広がりだった。無料版がなくなったことで、小規模の運用をしたいユーザーの多くは他の製品に流れた。無料版の復活はこれを引き戻すことを狙ったものだろう。
The Registerは「(VMwareが)ゲームに戻ってきた」と表現する。