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連邦予算の3割削減目指す「DOGE」 武器はAI
2025年2月25日 11:41
謎の「政府効率化AIアシスタント」
DOGEのAIツールが実際にどんなものかは不明なままだが、Tech Crunchが、あるDOGEチャットボットの存在を報じた。新政権のホワイトハウスのスタッフとして参加したChristopher Stanley氏の個人Webサイト上に「DOGE」名のサブドメインで公開されていたという。
Stanley氏は、ホワイトハウスの名簿に名前があるものの役職は不明。Xのセキュリティ責任者、SpaceXの主任セキュリティエンジニアなどを兼務しており、Musk氏に近い人物だ。
チャットボットの名称は「Department of Government Efficiency AI Assistant(政府効率化AIアシスタント)」で、「Powered by xAl grok-2」と表記されていた。
このチャットボットはTech Crunchとの対話の中、DOGEの使命について「政府職員が業務プロセスにおける無駄を特定し、効率を改善するのを支援することです。目的を達成するために、問題を最も基本的な要素に分解する第一原理アプローチを適用し、表面的な問題の解決ではなく、根本的な課題の解決を目指します 」と説明したという。
また、幅広いトピックについて「5つの指針原則」を適用すると述べた。5つの原則(各項目の説明は省略)とは以下だ。
1.要件の簡素化
2.不要な部分やプロセスの削除
3.簡素化と最適化
4.サイクルタイムの短縮
5.自動化
筆者はこの5原則を、xAIの「Grok(Grok 3)」に見せて、「何だと思うか」と聞いてみた。すると、「システム設計やプロセス改善の指針と考えられます」と回答。またその特徴についての以下のように答えた。
「全体の印象として、xAIのミッションや哲学(効率的に科学的発見を加速する)に沿ったものと解釈できます。特に、複雑さを避け、シンプルで効果的なソリューションを追求する姿勢は、イーロン・マスクが関わる企業(TeslaやSpaceXなど)でよく見られる『第一原理思考(First Principles Thinking)』やエンジニアリングの最適化に通じるものがあります。また、自動化やサイクルタイム短縮は、AIや技術開発のスピードとスケールを重視するxAIの目標とも一致していると考えられます」。
このチャットボットが、Stanley氏個人の実験的なものなのか、実際にDOGEで使用されるものかは不明だが、Musk氏の考えに沿っていることは確かだ。
Tech Crunchは、Stanley氏とホワイトハウスにコメントを求めたが回答を得られなかったという。チャットボットはTech Crunchの取材後、見えなくなった。