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Amazonが在宅勤務を廃止 「RTO」の波が来るか

「静かな休暇」

 新型コロナ下での在宅勤務拡大以降、リモートワークは利点が評価される傾向が強かった。従業員の満足度の向上、離職率の低下(そして従業員の多くは「生産性の向上」を挙げる)などだ。

 しかし、最近になって、在宅ワークの問題点を指摘するような調査結果も出ている。

 オンライン調査会社のSurveyMonkeyが8月に米国のフルタイムワーカー3117人を対象に実施した調査では、ハイブリッド/リモートワーカーの32%が、過去1年以内に1回以上「quiet vacation(静かな休暇)」を取ったことがあると答えた。

 quiet vacationとは、「従業員が仕事をしているふりをしながら、実際には旅行をしたり、自宅で個人的な趣味に没頭したりすること」を言う。タイマー設定でメールを送信するような細工をして、アリバイを作る例もあるという。

 調査では、若い世代でこの傾向が強く、Z世代(1990年半ば〜2010年代初頭に生まれ)とミレニアル世代(1981年〜1990年代半ば生まれ)の46%が、職場の誰にも告げずに数時間の休みを取ったことがあると認めた。モーレツ世代の経営者が聞いたら激怒するかもしれない。

 テクノロジー企業の多くは現在、フルリモートをやめて、ハイブリッドワークの状態にある。GoogleやAppleは2022年から、Metaは2023年から、「週3回以上の出社」となった。だが、さらに厳しくなる企業もあり、Salesforceのように10月から営業や職場サービス部門などに「週4~5日」の出社を義務付けた例も出ている。

 従業員の願いに反し、来年にはRTOの嵐が吹き荒れるかもしれない。