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Amazonが在宅勤務を廃止 「RTO」の波が来るか

Dellは全営業スタッフに週5日出社を

 Business InsiderやFortuneによると、Amazon社内ではSlackなどで不満の声がわき起こったという。例えば、「これはコロナ以前の運用よりもはるかに厳しい。元に戻すというより、逆行だ」「週5日出勤ということは、自分のノートPCを職場に置いとけばいいってことだよね。家に持ち帰る理由はなくなるのだから」――といったものだ。

 プロフェッショナル向け匿名SNS「Blind」が、9月17日から19日にかけてAmazonの従業員の登録者2585人を対象にアンケートを行ったところ、91%がJassy氏の指令に不満を持ち、73%が転職を検討していたという。

 だが米国では、リモートワークからフル出勤に戻す「RTO」が徐々に進んでいる。1月30日には、UPS(United Parcel Servic)が週5日出勤を義務付けることを明らかにした。 Boeing(民間航空機部門)やGoldman Sachs(幹部対象) など既に週5日出勤に踏み切っている企業もある。

 UPSやAmazonは、物流企業という性格上、ドライバーや倉庫スタッフのようにリモート不可の業務がある。他の部署の従業員との不公平感を抑えるため出社を促したいという事情もあったようだ。テクノロジー企業は、まだまだのように思えた。

 ところが、Amazonの通達の10日後(26日)、今度はDellが、オフィスに出勤可能な全営業スタッフに対し、週5日の出社を命じた。木曜日に通達して翌週の月曜日から実施するという急なもので、社内ではパニックが起こった、とBusiness Insiderは伝えている。

 そして、複数の従業員が、これが他の部署にも適用される予定と聞いたという。あるテクニカルサポートの社員は、上級リーダーが「Amazonがそうしているから」RTOが必要になるかもしれないと言ったと証言している。これまでリモート可でこなせていた職種にも、出勤の圧力が及んでいるようだ。