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わずか5カ月で評価額が3倍に GPUクラウドのCodeWeave

クラウドの「マセラティ」

 CodeWeaveは、NVIDIAとの関係が深い。NVIDIAはシリーズBラウンドの出資に参加しているほか、CodeWeaveをNVIDIA Partner Networkの優先パートナーとしている。GPUは高価な上、慢性的に品薄状態にあるが、CodeWeaveは4万5000以上のハイエンドのNVIDIA GPUをオンデマンドで提供できるという。

 また、選択肢もそろえている。H100、A100、A40、RTX A6000などを用意し、最新のNVIDIA HGX H100の予約も受け付けている。H100は2023年11月時点で22000ユニット以上(The Register)で、「市場で最も幅広いハイエンドのNVIDIA GPUのセレクションを持つ」と胸を張る。

 そしてクラウドはサーバーレスで、Kubernetesの拡張機能Knativeに対応する。さらに機械学習モデルの読み込みを高速化する「Tensorizer」などでパフォーマンスを最適化して、リクエストがないときはリソースを使わない「スケール・トゥ・ゼロ」のサービスを提供する。

 同社はAI専用クラウドでの強い自信を持ち、ハイパースケーラーを「レガシークラウドプロバイダー」と呼ぶ。「レガシークラウドでは、AIワークロードに必要な巨大な並列処理とメモリを処理できない」というのがその主張だ。

 共同創業者兼CEOのMichael Intrator氏は、「レガシークラウド」は車に例えると「ミニバン」で、CodeWeaveは高級スポーツカー「マセラティ」だとFortuneに語っている。さまざまなことができるのではなく、スピードに特化したクラウドだ。

 CodeWeaveの創業の経緯も興味深い。暗号通貨マイニングを趣味としていたIntrator氏らは2017年。NVIDIAのGPUを使ってイーサリアムのマイニング会社を立ち上げた。

 その後、イーサリアムの仕様変更でマイニングが不要になったのを機に、GPUパワーを提供するクラウド企業に転身した。さらに保有していたGPUを担保に資金調達を行って拡大していった。