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わずか5カ月で評価額が3倍に GPUクラウドのCodeWeave

 AIに必須のパーツであるGPUは、NVIDIAを2兆ドル企業に押し上げ、世界で争奪戦を巻き起こした。GPUを押さえている企業はAIレースで先行できる。そんななかで、GPUを武器に、企業価値を5カ月で3倍にしたスタートアップが現れた。“ザ・GPUクラウド”をうたうCodeWeaveだ。

“ザ・GPUクラウド”の190億ドル企業

 CodeWeaveは5月1日、シリーズC(利益安定段階)投資ラウンドで11億ドルを調達したと発表した。

 同社は昨年末、計6億4200万ドルのシリーズB(成長で収益増加段階)資金調達を行ったほか、同8月には23億ドルの融資枠を確保している。そのスピードと調達額もさることながら、驚異的なのが同社の評価額だ。

 Wall Street Journalによると、今回の出資でCodeWeaveの企業価値は190億ドルとなった。5カ月前は70億ドルだったというから、3倍近く増やしたことになる。評価額190億ドルは、(買収時の440億ドルの半額以下ながら)x(旧Twitter)と並ぶレベルだ。

 CodeWeaveとは一体どのような企業なのだろう――。自社を「ザ・GPUクラウド」と表現し、「業界最速かつ最も柔軟なインフラ上で、大規模なNVIDIAのGPUを提供する特化型のクラウドプロバイダー」としている。「AIクラウド」と表現するメディアもある。

 同社のWebサイトには、オンデマンドでスケールするGPUサービス「GPU Compute」や、汎用コンピュートプロジェクト向けの「CPU Compute」、コンテナ化されたデプロイ用の「Kubernetes」、仮想マシンでのデプロイ向け「Virtual Servers」、ストレージ、ネットワーキング、とIaaSがそろえる基本メニューが並んでいる。

 その宣伝文句は「従来のクラウドプロバイダーと比べて最大35倍高速で、80%安価」というものだ。

 顧客としては昨年、Microsoftが数十億ドル規模の契約を結んだとも伝えられている。