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続く混乱、代替ソリューションも活発化 VMwareは「上手にメッセージを出すべきだった」との声も

新パートナープログラムはどうなる?

 VMwareを担いできたパートナーにも混乱が続いている。Channel E2Eによると、VMwareの再販事業者、ディストリビューター、サービスプロバイダーには、「パートナープログラムが終了して2024年2月からBroadcomのパートナープログラム(Broadcom Advantage Partner Program)に変更する」という連絡が昨年末に入っていたという。

 その際、Broadcom傘下となった後も継続して製品を販売できるかについて1月中に連絡する、ということだったが、「継続の可否について、多数のパートナーがいまだ知らされておらず、”恐怖、怒り、打ち切りの不安”の中にある」(Channel E2E)という。

 一方、これをチャンスとみる競合はそれぞれ売り込みに動いている。

 例えばVMwareの競合であるScale Computingは、VMware「VMware Rip & Replace Promotion」として、VMwareパートナー企業向けに25%割引価格で自社のソフトウェアなどを提供するプロモーションを発表した。「Broadcomの変更でパートナーと顧客に不満が広がっている。顧客の多くは、Broadcomの新しいチャネルプログラムで自社の地位を失うパートナーとの取引から、苦痛を伴う移行を余儀なくされる」と記している。

 VMwareが「Horizon」ブランドで提供してきた仮想デスクトップインフラ(VDI)では、2月になってMicrosoftが「Azure Stack HCI with Azure Virtual Desktop」をGA(一般提供)にした。The Registerは「MicrosoftのVDIにハイブリッドクラウドをもたらすという点で賢明」としながら、VMwareとCitrixという、この分野の大手の今後が不確実な中でのGAであるとも述べている。

 DaaS(デスクトップ・アズ・ア・サービス)のNerdioは、多数の問い合わせがあるとChannelE2Eに述べている。Nerdioの最高レベニュー責任者、Joseph Landes氏は「Broadcomのパートナープログラムに加入できなかったパートナーは代替を探しており、(Nerdioのような)DaaSソリューションに魅力を感じている」と言う。

 このほか、HCIでVMwareと競合関係にあるNutanixも積極的に情報を発信している。

 また、The New Stackは「プラットフォームエンジニアリングでベンダーロックインを解決する方法」と題して、プラットフォームエンジニアリング企業3社(Humanitec、Thoughtworks、Bechtle Competence Center AVS)と考案したVMware Tanzuからの脱出方法を解説している。