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VMwareが製品群を大改組して2本に集約 顧客やパートナーは……

代替製品を探る動き

 実は1月22日の公式ブログ記事は、1月15日付で公開した永続ライセンス終了のブログ記事「KB 96168」をアップデートしたものだ。ユーザーの間で、詳細を求める声が高まったことから、追加説明したようだ。

 VMware製品の変更は、競合にとってはチャンスにもなる。Nutanixは最初の発表の翌1月16日、起こりうる変化を公式ブログで挙げた。「コスト増」「チャネルパートナーへの投資減少」「顧客サポートの変更」など9項目だ。

 ブログの筆者で、Nutanixのシニアバイスプレジデントとしてプロダクト&ソリューションズ・マーケティングを統括するLee Caswell氏は、「顧客が代替案を検討しているのは、今後のサポートについて懸念しているからだ」とThe New Stackに述べている。

 「VMwareの製品は、チャネルパートナーやリセラーパートナーがサポートを提供し、OEMパートナーがデリバリーしてきた。再販事業者が現時点で契約を結ばずに待機しているという事実は不確実性をもたらし、顧客はサポートが変わることを懸念している」と続けている。

 エコシステムも動いている。VMwareのバックアップから誕生したVeeam Softwareは、VMwareの代替として「Proxmox」について検討していることを自社フォーラムで明らかにした。Proxmoxはドイツを拠点とするソフトウェア企業Proxmox Server Solutionsが開発するDebianベースの仮想化環境だ。

 このときフォーラムのスレッドのタイトルは「Broadcom/Vmware debacle」(Broadcom/Vmware 大失敗)だった。

 スレッドでは、代替として「Oracle Linux KVM」にも言及されている。The Registerはこれについて、VeeamがOracle Linux KVM、Proxmoxなどを今後サポートしていく可能性がうかがえるとしている。そして、「賢いテック購入者は、補完するツールのエコシステムがあって初めて、その製品が可能性のあるオプションになることを理解している」と記す。

 そして、こう結んでいる。「Broadcomも(代替の動きを)理解しているし、Veeamのような大手がVMware離れを容易にする自社製品を宣伝すれば、VMwareに代わるサーバー仮想化ツールを選択する可能性が高まることも理解しているはずだ。それを気にするかどうかは、610億ドル(VMwareの買収金額)の問題だ」

 Broadcomはこの問題に、どう対処するのだろう――。