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「生成AIブームは継続、DXはデジタル・ビジネスに」 2024年のITトレンド

DXから「デジタル・ビジネス」の時代へ

 コロナ禍から顕著になった”DX祭り”は次の段階に進む、とIDCはみる。

 「ここ数年、企業は競争優位性を獲得してプロセスと技術のモダン化を進めるという点で、DXにフォーカスしてきた」とIDCは言う。そしてこれからは「デジタル・ビジネス(DB)」の時代になる、とする。

 同社のアナリスト、Craig Powers氏は「DXは最初の一歩に過ぎず、変化から真の価値を得るために革新的な状態に移行しなければならない」。デジタル・ビジネス時代に競争力を維持するため「革新的な能力とイノベーションの文化を構築する時だ」と助言している。

 そして、「2024年に、多くの企業がイノベーションの能力を向上させるだろう」と予想している。

 クラウドについては、引き続きハイブリッドクラウド、マルチクラウドに関する予想が目立つ。Marr氏は「マルチクラウド戦略をとる大企業の数は、2024年中に76%から85%に増加する」という予測を紹介しながら、その課題としてデータガバナンスとレガシーシステムとの統合を挙げる。

 Marr氏は、企業が(課題である)セキュリティと(メリットである)柔軟性のバランスを追求するようになり、先進的なインフラソリューションが人気になるとみる。

 Betanewsも、2024年のトレンド予想にハイブリッドクラウドモデルを入れている。

 「2025年までに大企業は自社環境の60%をクラウド化する」という予想を紹介しながら、そのアプローチの1つとして規制や管理の面からハイブリッドクラウドを採用するとみる。

 一方で、「クラウドとオンプレミスの両方で情報やドキュメントを管理したいというニーズは減っており、ハイブリッドクラウドは時間の経過とともに減っていく」とも予想する。あくまでも“クラウドへ向かう過程としてのハイブリッドクラウド”という見方だ。