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「モダンデータスタック」の時代へ DatabricksとSnowflakeのデータ戦略

Snowflake:「Snowpark Container Services」でデータアプリ戦略

 約800キロ離れたラスベガスでは、SnowflakeがSnowflake Summit 2023を開催した。

 まず初日にNVIDIAとの提携拡大を発表した。NVIDIAのLLM開発プラットフォーム「NVIDIA NeMo」とNVIDIAのGPUをベースに、企業はSnowflake内で独自のLLMを構築し、これを利用して生成AIサービスを利用できる。データもプロセスもSnowflake内で完結するので、セキュリティとガバナンスも適用される。

 また、NVIDIAとの提携を受けてSnowparkも拡張し、「Snowpark Container Services」としてNVIDIAのGPUなど対応インフラを拡大。LLMのホスティングやフルスタックのアプリケーションなどのワークロードを動かすことができるようになった。同社が推進する「データアプリ」を進めた格好だ。

 イベントにはSnowflakeのCEO、Frank Slootman氏がNVIDIAのJensen Huang CEOを招き、生成AIのインパクトについて語り合った。

 さらに同日、Microsoftとの提携拡大も発表。Azure OpenAI、Azure MLなどとの統合を進めるとした。DatabricksのMosaicMLに対応する動きとしてSnowflakeは、5月にやはりAIスタートアップのNeevaを買収済みだ。

 Snowflakeの戦略についてSlootman氏は、「マルチレイヤーアプローチ」と自社の「最適化されたデータベースエンジン」が差別化になる、とSilicon ANGLEのインタビューで語っている。

 マルチレイヤーとは、具体的には「インフラの伸縮性、ライブのデータ管理、包括的なワークロードレイヤー、プログラマビリティなプラットフォーム『Snowpark』、マーケットプレイス、データとアプリのマネタイズのためのトランザクションレイヤー」などが含まれるとする。