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Amazonが格安モバイル事業? 投資家からは選択と集中求める声も

Amazonに“選択と集中”求める投資家

 Amazonにとってモバイルは初挑戦ではない。同社は2014年にAndroidベースのスマートフォン「Amazon Fire Phone」を発表。米国、英国などで発売したが、わずか1年で撤退した。

 通信関係で継続中のものとしては、衛星通信サービス「Project Kuiper」がある。2018年に開発を明らかにしていたプロジェクトで、今年2月に米連邦通信委員会(FCC)の承認を受けた。2024年後半に提供を開始する予定だ。Amazonのキャリアを目指す動きは続いている。

 そんな中、Amazonの株主らが「アイデアが多すぎる」として、フォーカスを絞るよう求める公開書簡をCEOのAndy Jassy氏と取締役会に送ったことが6月7日明らかになった。

 Amazonの直販EC事業売上は、昨年初めて減少し、クラウド事業が補ってはいるが、引き続き成長を期待する投資家の目は厳しい。

 報じたCNBCによると、公開書簡はBernsteinのアナリストによるもので、「このところAmazonは多くのアイデアを追求しすぎており、弱いアイデアが“酸素と資本”を奪っている。より重要なこととしてAmazonしかできない破壊的なイニシアティブへのフォーカスを弱めている」と意見している。

 「弱いアイデア」として、ヘルスケアと共に挙がっているのがProject Kuiperだ。Kuiperには100億ドルを投じているというが、「投資対象として極端だ」と記している。

 根拠の1つが、Googleの「Project Loon」(気球インターネット)、「Google Fiber」(光通信サービス)などの失敗だ。「その技術がクールであっても、資本集約的で利益率が低い公共事業は労力に見合わない」と言う。

 Jassy氏はじめAmazon幹部はこの公開書簡に対しコメントしていない。