Infostand海外ITトピックス

迷走のTwitterで新CEO Yaccarino氏が直面するもの

 時に旋回し、急降下したかと思えば向きを変える――。「鳥は放たれた」というElon Musk氏の言葉通りなのか、Twitterはどこに行くのかわからないような飛行を続けてきた。そのかじ取りを行うためMusk氏は、NBC Universalのグローバル広告部門を率いてきたLinda Yaccarino氏を新しいCEOに据えた。だが、その行く手には多くの難関が控えている。

買収から社員は17%、評価額は3分の1

 「最大の信頼とインクルーシブなパブリックプラットフォームがあることは、文明の未来に重要だ」。Musk氏は2022年4月、Twitterへの買収提案を発表した日、登場したTED Talkでこう語った。

 だがCEOとして君臨していた半年間、ユーザー認証、APIなどのサービス変更があり、ユーザーはそのたびに混乱。社内では大規模な人員削減が実行され、買収時に7500人いた社員は、1300人にまで減ったとも言われている。

 ほかにも、「言論の自由」のスローガンの下でのDonald Trump前大統領のアカウント復活。Fox Newsを退社(解雇とも言われる)したキャスターで、右派として知られるTucker Carlson氏の番組をTwitterに迎えるなど、「保守メディア化」(Business Insider)を指摘する声も出ている。

 ユーザーや広告主は、こうした動きに不安を感じ、一部でTwitter離れが加速している。

 Wall Street Journalは5月31日、Twitter(X Corp.)をファンドに組み入れているFidelity Blue Chip Growth Fundのレポートから、Twitterの評価額がMusk氏買収時の3分の1になったと報じた。

 Fidelityの出資額から計算したTwitter評価額は、買収時の440億ドルから約150億ドルまで下がっているというものだ。