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C2PAがデファクトになるか 対ディープフェイクへの取り組み

 生成AIの普及でフェイク画像・動画の問題はますます深刻になっている。AI規制論が優勢になる中で、ディープフェイクは開発者やベンダーにとっても看過できない問題だ。AI生成コンテンツのクオリティがみるみる上がってゆく中で、コンテンツに“電子透かし”を埋め込む取り組みが急速に進んでいる。

Microsoftが自社アプリに電子透かし搭載

 Microsoftは開発者会議「Build 2023」で、AI生成のフェイク画像コンテンツに関する取り組みとして、自社のMicrosoft DesignerとBing Image Creatorに「C2PA」規格の電子署名を数カ月以内に組み込むと発表した。

 C2PAは、2021年にMicrosoftとAdobe Systems、ARM、BBC、Intel、Truepicの6者が立ち上げた団体「Coalition for Content Provenance and Authenticity(略称C2PA)」の技術仕様だ。

 作成者や来歴情報をメディアファイル内に保存して、メディアコンテンツの出所確認ができる。撮影データを画像ファイルに組み込むExifは情報の編集が可能で内容を保証する仕組みを持たないが、C2PAでは由来・履歴から真正性を判断できるわけだ。

 改ざん対策として公開鍵暗号基盤を使用し、認証局で管理する。設立メンバーのTruepicが開発したSDKでアプリケーションに組み込めば、標準的なカメラアプリを使うのと同じように使えるという。

 団体には、日本からもニコンやソニーなどが参加しており、メンバーが1000を突破したと今年4月に報告している。新しいメンバーにはAI画像生成サービスのStable Diffusionを提供しているStableAIもおり、現在、APIユーザー向けにテスト中という。