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Nutanixに身売り報道 HCIの寵児の現在地

コンテナ対応、パブリッククラウドとの連携

 Nutanixが9月に発表した直近の業績(2022会計年度、および第4四半期)は、年間経常収益(ARR)は前年同期比37%増の12億ドル、年間契約額(ACV)請求額は10%増の1億9300万ドルとなった。総売上高は同1%減の3億8600万ドルと報告している。合わせて、顧客数は世界で2万2600以上と発表している。

 それでも、コロナ期間中に高騰したテクノロジー株の軒並み不調の中で、Nutanixの株価もふるわない。時価総額は2021年9月に90億ドル程度だったのが、50億ドル程度に下がった。Wall Street Journalの記事を受け、株価は約25%上昇して、26ドル台となった。それでも2021年9月の42~43ドルには遠く及ばない。

 サーバー、ストレージ、ネットワークを一体化したHCIは、プライベートクラウドで重要な役割を果たす。The Next PlatformはHCIにおけるNutanixを、1980年代の「DEC VAX」、1990年代の「IBM AS/400」、2000年代の「Microsoft Windows Server」に匹敵すると評価する。「多くの中小企業が、仮想化されたコンピューティングとストレージを、回復力があり、容易に管理できる形で手に入れることができる。しかも、ネットワークに数台サーバーを追加するだけで拡張できる」とする。

 しかし、時代はパブリッククラウドに移行し、それまでオンプレミスで動かしていたミッションクリティカルシステムもパブリッククラウドに載るようになった。そして主要パブリッククラウドはオンプレミス、プライベートクラウドの領域に機能を拡大している。

 Nutanixも拡大を図っている。コンテナ分野に拡大すべくKubernetes運用のためのプラットフォーム「Nutanix Cloud Platform」の拡充を進めるほか、パブリッククラウドとの連携も強化。Microsoft AzureでNutanixを利用できる「Nutanix Clusters on Azure」、そのAWS版「Nutanix Clusters on AWS」などを発表している。

 また10月に入って、Microsoft Azure専用ベアメタルノードに拡大する「Nutanix Cloud Clusters (NC2) on Microsoft Azure」の一般提供も開始した。Nutanixの顧客はソフトウェアに手を加えることなく、ワークロードをプライベートクラウドとパブリッククラウド(Microsoft Azure)で動かすことができるという。