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Nutanixに身売り報道 HCIの寵児の現在地

 Nutanixが買い手を探しているとの報道が飛び出した。同社はHCI(ハイパーコンバージドインフラ)をひっさげて登場し、成長してきた。だが、ハイテク企業株は新型コロナの影響による高騰のあと、インフレや金利上昇で苦戦している。HCIの草分け的存在であるNutanixを取り巻く環境も変化しているようだ。

HCIの“寵児”Nutanix

 Nutanixは、コンピュートとストレージを仮想化してリソースをプールし、柔軟に利用可能にするHCIを提供している。設立は2009年。ステルスモードで開発を続け、2011年から製品の提供を開始した。Gartnerはハイパーコンバージドインフラ・ソフトウェアの「マジッククアドラント」(市場ごとのリーダー調査)で、NutanixとVMwareの2社をリーダーと位置付けている。

 2016年にはNASDAQ市場でIPOを達成。2020年に、共同創業者でCEOとしてNutanixを引っ張ってきたDheeraj Pandey氏が退任。競合のVMwareからRajiv Ramaswami氏をトップに迎え入れた。

 10月14日付のWall Street Journalは、そのNutanixが身売りを検討していると報じた。情報に近い筋の話で、自社へ買収の関心が寄せられたことから売却を検討しているという。同紙はプライベートエクイティ、業界のプレイヤーが対象になると予想する。

 伏線にも見える話がある。Nutanixは2020年にBain Capitalから7億5000万ドルの出資を受け、Bainから2人を取締役会に迎えている。CEOが交代したのはそのあととなる。また直近の2022年9月にはコーポレートガバナンスの変更を発表し、全取締役に対して株主が毎年投票できるようにしている。

 アクティビストのヘッジファンドでNutanixの株式を1%未満保有するLegion Partners Asset Managementも、この変更を歓迎しているとWall Street Journalは伝えている。