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Nutanixに身売り報道 HCIの寵児の現在地

売却先は?

 The Next Platformは、Nutanixが先に従業員の4%を解雇したこと、売り上げは増加したものの、純損失が(改善しているものの)7億7800万ドルを計上していることに触れながら、2021年にIBMがNutanixを買収すべきと記事で提案していたことを振り返る。

 「Red HatとNutanixの組み合わせは理にかなっていた」はずだったが、IBMはその後、Red Hatの「Gluster」と「Ceph」の分散ストレージ事業をシステムグループのストレージ部門に統合した。ストレージビジネス自体がバラバラになってしまったのだ。

 そして現在、買収先として可能性があるのは大手クラウドだとThe Next Platformは予想する。「大手クラウドがNutanixスタックを取り込み、バラバラのインフラに重ねる形で提供することで、見た目も印象も明確で、セキュリティ対策も講じられているシステムとして提供できる」と言う。これが、いまだオンプレミスでコンピューティングやストレージを運用しているユーザーにクラウド移行を訴求できるという見方だ。

 ただし、こうした顧客にとっての価値の高さを考慮しても、Nutanixスタックの価格は高すぎる、とも指摘している。

 大手クラウドだけとは限らない。金融情報サービスのSeeking Alphaは、Needhamのアナリスト、Mike Cikos氏の1株31~32ドルが「適切な」オファーになるとの予想を伝えている。Cikos氏は、Nutanixを買収するのはプライベートエクイティの可能性が高く、中でもすでに出資しているBainが有望だとした。

 これらは臆測で、Nutanixが身売りすると決まったわけではない。Wall Street Journalも「実際に取引になるかは極めて不確か」と伝えている。

 とはいえ、Nutanixとライバル関係にあったVMwareがBroadcomの傘下に入ろうとしていることを考えれば、時代が動いているということかもしれない。