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クラウドの支出に無駄あり 管理手法「FinOps」に注目
2022年3月22日 11:30
企業がクラウドを導入する大きな動機にコストがある。「必要な時、必要なだけサービスを利用して料金を支払う」というのがクラウドの大きなメリットだ。しかし、実際のところ、企業のクラウド支出には無駄が多いという。その解決策として「FinOps」という手法が注目されている。
3社に1社が「自社のクラウドへの支出に無駄がある」
IT管理ソフトウェアのFlexeraが企業を対象に行っている年次調査レポート「State of the Cloud Report」の最新版がこのほど発表された。それによると、「クラウド支出に無駄がある」と回答した企業は32%で、前年(30%)から2ポイント増となった。
調査は2021年末に実施。米州、欧州、アジア太平洋(日本を含む)のクラウド利用企業の意思決定者や技術担当者ら計753人の回答を集計した。主に大企業で、従業員1000人以上が8割を占めている。
「クラウドコストの増加が続いており、無駄な支出が高止まりしている」とレポートは指摘する。さらに自己評価の「32%」という数字について、「企業は自らの無駄を低く見積もる傾向があり、実際にはもっと多く、額も大きいだろう」と述べている。
このほかの項目では、「クラウドの支出が当初予算を超過した」(13%)、「今後1年間にクラウド支出を増やす」(29%)などがある。また、組織全体で取り組むべき課題に「既存のクラウドのコスト最適化」を挙げた割合は59%に上り、6年連続トップだった。
クラウドのコスト問題が、どれだけ重要になっているかをうかがわせる結果だ。
コストを引き下げるには、割引を利用する方法もある。クラウド事業者各社は、複雑な料金体系の中で、それぞれ割引制度を用意している。
例えば、AWSには「AWS Reserved Instances」「AWS Enterprise Discount Program」など。Azureには「Azure Enterprise Agreement Discount」「Azure Reserved Instances」などがある。いずれも事前予約することなどで従量制よりも安価に利用できる仕組みだ。
これらによってコスト削減はできるのだが、利用していない企業も多いという。レポートによると、AWS Reserved Instancesを利用している回答者の比率は36%。Azure Reserved Instancesで32%にとどまっていた。