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クラウドの支出に無駄あり 管理手法「FinOps」に注目

FinOpsでクラウドの支出管理

 クラウドの売り物は「使った分だけ課金」という特徴だ。ユーザーは巨大(そして高価)なハードウェアを用意する代わりに、必要な時だけサービスを購入する。それがインフラの使用ならばIaaS、ユーザー数などで決まるソフトウェア利用ならSaaSとなる。

 つまり「無駄が少ない」ことがクラウドのメリットのはずなのだが、実際は多くの企業が無駄を感じている。よくある例が、テスト用に購入したインスタンスが放置されて終了後も課金され続けるといったケースだ。

 そこで、クラウドのコストを管理する手法であるFinOpsが注目されている。

 FinOpsの確立と普及を目指す団体「FinOps Foundation」は、FinOpsの定義を「企業がビジネス的価値を最大化するためのクラウドの財務管理の規律と文化的慣習で、開発、財務、技術、事業の各チームが協働し、データ駆動型の支出の意思決定を行うこと」と説明する。

 実践にあたっては、クラウド利用にかかわる各部門がそれぞれの立場から参加し、「Inform(現状把握)」「Optimize(最適化計画)」「Operate(運用)」の3つのフェーズをサイクルにして繰り返してゆく。

 FinOpsの特徴は、「ユニットエコノミクスモデル」を用いる点だ。ユニット(FinOpsではユーザー)単位で事業の経済性を評価する管理会計モデルで、クラウドのコストが具体的になり、管理がしやすくなるという。

 Flexeraのレポートは、FinOpsを意識していなくとも、実際にはFinOps的管理に取り組む企業が増えていると指摘する。企業の中には、FinOpsのチームを作る動きも出始めているともいう。