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デロイト トーマツ、改正リース会計基準に対応する財務・経理部向けサービスを提供
2025年6月2日 09:00
デロイト トーマツ グループ(以下、デロイト トーマツ)は5月30日、2027年4月に適用が開始される新リース会計基準(日本基準)に関して、財務・経理部向けの包括的なサービスを開始すると発表した。
デロイト トーマツは、会計の専門知見による助言と経理業務への適用・運用からなるサービスを開発し、コーポレート部門の課題解決のための拠点「Deloitte Tohmatsu Corporate as a Service Operate Center MAEBASHI」で提供する体制を整えた。
新リース会計基準では、国際財務報告基準に準じた会計処理が示されており、従来、幅広く費用処理が認められてきた借り手のオペレーティングリースについて、原則として資産計上を行う会計処理が求められる。これにより、企業はリース契約の管理や契約情報の収集、会計上の論点の把握だけでなく、ITシステムの更新を含む業務プロセス・内部統制の再構築、経営計画・予算への影響やKPIの見直し要否の確認、人的リソースの確保など、さまざまな領域において対応が必要となる。
こうした新リース会計基準対応について、デロイト トーマツが提供するサービスでは、AI-OCRによる契約書のテキストデータ化や、生成AIを活用して、リース契約書に記載があるリース料や契約期間などの会計処理に影響する重要な記述を網羅的に抽出することを可能にする。
サービスでは、AI-OCRにより、手書き文字を含む紙やPDFの内容を検索可能なテキストデータに変換する。デロイト トーマツが独自開発したAI-OCRは、複雑なフォーマットでもテーブル情報も含んで読み取るエンジンであるICRを搭載し、契約書のレイアウトや表の形式を保った状態でテキストデータを抽出する。
AI-OCRが抽出したテキストデータは、生成AIが契約文書から必要な項目を効率的に抽出・解析し、リース契約管理データベース上の項目にひも付ける。原契約書、個別契約書などの主契約の内容と、その後に締結する覚書や別紙などの新たな契約内容とをひも付けて管理でき、会計数値の根拠となるリース契約の一元的な管理が行える。
さらに、リース契約情報をリース計算アプリに自動連係し、使用権資産・リース負債を計算した後、資産台帳画面や償却一覧表、支払い一覧表といった、仕訳・注記に必要な情報を出力する。
リース契約管理機能とリース会計機能は独立しており、必要な機能に絞って導入できる。
これにより企業は、大量の契約書の読み込み、リースシステムへの多くの項目の転記、転記後の会計数値の手動計算など、新リース会計基準に伴い新たに発生する業務負荷を軽減しつつ、新リース会計基準に対応できる。なお、経理業務の提供にあたっては、会計専門家の監督のもとで実施するとしている。