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クラウドの支出に無駄あり 管理手法「FinOps」に注目

最小費用で最大価値を目指す

 FinOps Foundationは、Apptioのクラウドコスト管理サービス「Cloudability」の顧客諮問委員会が元になって2019年に立ち上げられた。その後、Linux Foundationに合流し、認定制度なども運営している。2021年にはGoogle Cloudがプレミアメンバーとして参加した。

 だが、FinOpsは新しい概念であり、まだ認知度は低いようだ。そして、クラウドの世界の変化は速い。

 Flexeraのレポートを報じたInfoWorldは、FinOpsのプロセス、スキル、ツールが企業のクラウド導入のペースに追いついていないとみる。コストの最適化では自動化が重要な役割を果たすが、Flexeraのレポートでは、なお43%がポリシー実行を人の手で行っていた。

 また、InfoWorldは、FinOpsに加えて、「クラウドのプロジェクトにコストガバナンスのプロセス、スキル、ツールが不足している」「そもそも効率的で最適化されたクラウドソリューションを構築していない」という2点も課題として挙げている。

 とりわけ後者について、ソリューションの選択が流行に流される傾向があると指摘。「必要なのは、構築、デプロイ、運用にかかる費用を最小限に抑えながら、ビジネスに最大の価値を還元できるソリューションだ」と強調する。

 クラウドにはオンプレミスとは異なるコスト構造がある。いまユーザーは、クラウドの普及とともにコスト管理についても学んでいる段階ということだろう。