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Activisionを過去最大額で買収 Microsoftのゲーム戦略

 Microsoftが、Activision Blizzardを687億ドルで買収すると発表した。「World of Warcraft」など約30のシリーズを開発する大手ゲームパブリッシャーで、Microsoftにとって額で過去最大の買収。同社のゲーム事業は、Tencent、ソニーに続く世界3番目の規模になるという。この取引は、ゲーム事業の展開というより、同社のクラウド戦略の要素とみることができる。

買収額687億ドル、世界3位のゲーム会社に

 「モバイル、PC、コンソール、クラウドでのゲーム事業を加速し、メタバースに向けたビルディングブロックとなる」とMicrosoftはプレスリリースで説明している。買収を報告する従業員あてメモの中でも、「(メタバースの)開発において重要な役割を果たす」とCEOのSatya Nadella氏は述べている。

 メタバースは、Meta(旧Facebook)の改称宣言で一挙に世界で注目を集めた。今や「猫も杓子も」のバズワードとなっている。プラットフォームの覇権争いも始まっており、今回の買収は、その中の大きな一手とみるのが妥当だろう。

 組織面では同時に、Microsoft Gamingを立ち上げ、Xboxを率いてきたPhil Spencer氏がCEOに就任したと発表した。Activision現CEOのBobby Kotick氏は留任し、Spencer氏の配下となる。

 現在のMicrosoftのゲーム事業を見てみよう。Xboxとして展開するゲームコンソールに加えて力を入れているのがサブスクリプションサービスの「Xbox Game Pass」だ。Xboxのほかに、「Windows 10」、クラウドゲームサービスの「Xbox Cloud Gaming」からも利用でき、ユーザーは2500万人を数える。

 同社のゲーム事業は「Netflixを目指している」(Wall Street Journal)ともいわれ、ユーザーは急増中だ。2021年初めには1800万人だったので、700万人の増となる。

 Activisionのゲームは、買収後、Game Passでローンチする計画だ。Activisionは190カ国で4億人の月間アクティブプレーヤーがおり、Game Passのさらなる増加につながるだろう。