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「OfficeとWindowsを売却すべき」 Microsoftの元幹部が提言

 「クラウドファースト」を掲げて戦略を刷新したMicrosoftは、見事な変身を遂げたと言える。パブリッククラウド事業のAzureが軌道に乗り、業績も株価も絶好調だ。そんなタイミングで、「MicrosoftはWindowsとOfficeを切り離すべきだ」と元幹部が語った。CNBCのインタビューに答えたものだ。そのココロは――。

Microsoftに「OfficeとWindowsの売却」を

 Microsoftの直近の四半期(2021年7月-9月期)の売上高は前年同期比22%増の453億2000万ドルとアナリスト予想(439億7000万ドル)を上回った。株価は2021年に51%増となり、S&P 500の平均27%増の2倍近い伸びを示した。

 そして、企業向けビジネスで強さを見せつけている。昨年末、Synergy Research Groupが発表した2021年度の法人向け売り上げランキングで、Microsoftは前年比24%増の1200億ドルを記録し、他を圧倒する1位につけた。

 2位のIBMはその3分の2程度。クラウドで火花を散らすAmazonは、前年比36%増と成長率こそ高かったものの、売上高は600億ドル余りで、Microsoftの半分程度にすぎない。

 そんな中、CNBCが1月11日付で、「Microsoftはクラウド事業を押し上げるために、OfficeとWindowsを売却すべし 元幹部」と題した記事を掲載した。言ったのはMicrosoftの元幹部Ben Slivka氏だ。

 Slivka氏は1985年から1999年までMicrosoftに在籍。コンシューマー&コマースグループのゼネラルマネージャーを務め、「Internet Explorer」チームの立ち上げなどを手がけた。自身のWebサイトによると、1995年5月には、インターネットの台頭とWindowsの凋落を予言したという。いまはエンジェル投資家でもある。

 Slivka氏は「(Microsoftにとって)おそらく正しいのは、将来をクラウドに賭けることだ」とCNBCのインタビューに語った。分離すべき理由は、Azureの継続的な成長を社内の争いでじゃまされないためだとした。