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VMwareが独立公開会社に 「マルチクラウドのスイス目指す」

両社の今後は

 アナリストやパートナーはどう考えているのか。

 VMwareのスピンオフは、Hewlett Packard Enterprise(HPE)などDellと競合関係にあるベンダーにメリットがあるとの分析もある。VMwareがエコシステム、パートナーシップを拡大する上での障壁の一つが消えることになるからだ。

 IDCのアナリスト、Matt Eastwood氏は「HPE、Lenovo、Cisco、NetApp、Pure Storageなどにメリットがある。中でも最も得るものが大きいのはHPEだろう。HPEは専用のローカルクラウドとエッジでVMwareを支援できるスケールを持っている」とSDxCentralにコメントしている。

 一方、Dellにも、xRailのようなHCIをVMware以外のベンダーと構築する可能性がある、とSDxCentralはみる。既にMicrosoft、Nutanixのハイパーバイザーを搭載したシステムを提供しているが、さらに広げた関係を構築してゆくというものだ。

 VMwareとDell Technologiesはそれぞれ、どう動くのか。

 VMware側では、独立することでマルチクラウド戦略の完成に向けた買収に期待がかかる。同社はこれまで、親会社の株式保有比率を維持するため、新規の株式発行を縛られていた。独立すれば、買収のための追加株式発行が自由にできるようになる。

 このようにVMwareには再出発という言葉がふさわしいが、Dellの側からみると少し事情が異なる。

 5年間の商業協定は、VMwareテクノロジーの恩恵をDellが確保しながら、両社それぞれのパートナーシップ拡大を可能にする。しかし、市場が進化してゆく中で、その価値は低下してゆくだろうとIDCのEastwood氏は指摘する。VMwareのように自社を差別化できる技術を、もっと持たねばならないからだという。

 「Dellは今後1~2年は大丈夫だろう。だが、長期的に見た時、まだ見えない次の段階に向けて、差別化できるIP(知的財産)をより多く構築するか、買収あるいはパートナーによって獲得しなければならないだろう」