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VMwareが独立公開会社に 「マルチクラウドのスイス目指す」

「マルチクラウドのスイス」

 VMwareのスピンオフ後の戦略は今年のVMworldからもみてとれる。マルチクラウド、クロスクラウドでの全方位外交指向とも言うべきものだ。

 VMworldでは、マルチクラウド環境でアプリの構築・運用ができる「Cross-Cloud」サービスを発表した。2019年のイベントでローンチしたKubernetesベースのアプリケーションプラットフォーム「Tanzu」の無償版となるコミュニティエディションも発表している。

 また、Dell Technologiesと共同で「Apex Cloud Services with VMware Cloud」を発表している。Dellが推進するアズ・ア・サービス「APEX」を利用してVMwareのクラウドサービス「VMware Cloud」を使えるものだ。

 興味深いのが、「VMware Cloud on AWS Outposts」の発表だ。ハードウェアを含むAWSのシステムにVMware環境を搭載。オンプレミスでのアズ・ア・サービスソリューションとしてAWSと共同開発したものだが、これはDell Technologiesと競合することになる。

 こうしたVMwareのマルチクラウドでのメッセージは一貫している。Raghu Raghuram CEOは、スピンオフによって「業界のスイス(ベンダー間の永世中立の位置)になると、10月のアナリスト向けイベントで述べた。

 「われわれと深い関係で協力することをためらっていたパートナーも、安心して提携できるようになり、将来はそのメリットを享受できるだろう」(Raghuram氏)