Infostand海外ITトピックス

完全人型ロボット「Tesla Bot」発表 Musk氏は本気か?

 Elon Musk氏がヒューマノイド型ロボット「Tesla Bot」を発表した。2022年にもプロトタイプができるという。その動向が金融市場さえも動かそうという同氏のこと、ニュースは世界を駆け巡った。だが、ヒューマノイド型の実現は、あまりに多くの要素技術が必要で、ロボット開発の中でも最難関といえる。Musk氏の本気度を巡って、さまざまな見方が出ている。

Teslaは世界最大のロボットカンパニー

 「Tesla Bot」は細身の人間のサイズで、肩から上を黒、下を白でカラーリングされている。8月19日に開催されたTesla Motorsのイベント「Tesla AI Day」が佳境に入ったところで、「自動車の次のAI(What's next for AI beyond our vehicle fleet)」として紹介された。

 イメージ図に続いて、“リアルなTesla Bot”が登場し、ぎこちない動作で壇上に上がると、突然、テクノミュージックに合わせて踊り始めた。だが、これはTesla Botの衣装を付けた俳優で、ロボットが完成したわけではない。壇上のMusk氏は「これは本物ではない。だが、Tesla Botは本物になる」と予言した。

 Tesla Botは「退屈で、反復的で、危険な作業を人間に代わって行う」という。公開したスライドによると、身長約176センチ、体重56キロ。人間並みの手作業が可能で、時速8キロメートル程度で移動し、約20キログラム(持ち上げなら68キロ)の物を運ぶことができる。

 現時点で、二足歩行のヒューマノイドロボットは発展途上だ。Boston Dynamicsなどの専業でも完成度がまだまだと言われる。そんな中で、Musk氏の自信はどこから来るのだろう?

 「Teslaは世界最大のロボティクスカンパニーと言える。われわれの自動車は半ば知覚を持っているロボットに車輪がついたようなものだ」(Musk氏)。そして、Teslaが自動運転用に開発したコンピュータービジョン、ナビゲーションに使うニューラルネットなどの技術を応用できるという。

 また、センサー、バッテリー、アクチュエーターなどのハードウェア側でも技術がある、と続け、「来年(2022年)のどこかの段階でプロトタイプができると思う」と述べた。