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ハードウェアにオープンをもたらしたOCP 10周年迎え「2.0」も発表

OCPハードウェアは年16%で成長

 OCPは現在、メンバー企業数約250にまで拡大しており、その中には、IBM、Google、Microsoft、Dell、Hewlett Packard Enterprise、Alibaba、Baidu、Tencentなどの超大手も名を連ねる。さらにOCPの活動はハードウェアの仕様だけでなく、ハードウェア管理、セキュリティなどにも拡大しているところだ。

 また今年4月には、Targetがプラチナメンバーとして参加したことが発表された。小売大手としては初のメンバーで、店舗で導入しているエッジの仕様に貢献するという。Facebookも引き続き深くコミットしており、分散システムで重要になる時間管理プラットフォーム「Time Appliances Project」(TAP)を寄贈。OCPのインキュベーションプロジェクトとしてスタートした。

 OCPはコンピューター業界での存在感を増している。IDCは、OCPに基づくコンピュートとストレージインフラの市場規模が2024年に338億ドルに達すると予想している。内訳は、コンピュート(アクセラレータやインターコネクタを搭載したサーバー)が大半(83%)の280億7000万ドルで、残る57億3000万ドルがストレージだ。2020年から2024年までの年平均成長率(CAGR)は16.6%としている。

 新型コロナも追い風となったクラウドの成長を受けて、インフラ需要も増え続けている。そんな中でのOCPの意義について、IDCは「コミュニティ内でイノベーションと設計をオープンにして共有することで、OCPはデータセンターインフラのイノベーションと開発において重要な指標になっている」と記している。

 OCPが昨年発表した市場へのインパクトレポートでは、2019年のOCPハードウェアの総売上額が36億ドルで、インフラ市場(サーバー、ストレージ、ネットワーク、ラック、電力、周辺機器など)の売上の2.25%を占めた。最大の市場は米国だが、今後、アジア太平洋地区が伸びると予想されている。

 また、ユーザーがOCPを採用する際の最大の要因は「CAPEX(設備投資支出)削減」、次に「オープンな設計」「OPEX(運用支出)削減」「ハイパースケールイノベーションについていくため」「差別化」などだった。