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ポストコロナに向け布石 ZoomのFive9買収

エンタープライズITに本格参入

 Five9の買収は、Zoomにとって何を意味するのだろうか――。1つは、エンタープライズCCaaS市場への参入だ。苦情や問い合わせなど顧客とのやりとりを担うコンタクトセンターはクラウド化が進んでおり、Genesys、Avayaなどの古参、それにTwilio、Amazon(Amazon Connect)などが競う。また、ここでもWebex(Webex Contact Center)の名がある。

 調査会社Moor Insights & StrategyのPatrick Moorhead氏はForbesへの寄稿で、Five5買収はZoom Phoneの後押しになると分析している。Stifelのアナリスト、Tom Roderick氏はZDNetに対し、Zoomの対前年比成長率が既に厳しいものになっていると指摘しながら、「Zoomはビデオ会議の先のチャンスを強調する必要がある。“次は何?”の文脈とZoom Phoneの転機の両方から、かなり魅力的だ」と評価する。

 Zoomは、Five5のTAM(獲得可能な最大市場規模)を240億ドルと見積もり、自社のTAMである620億ドルと合わせて860億ドルが買収後のZoomのTAMになると説明している。

 またMoorhead氏は、買収によってZoomが本格的にエンタープライズIT市場に参入するとも分析する。そこでの勝負では、「統合されたソリューション、シンプルさ、一貫性がカギを握る」という。