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トップになったクラウドのJassy氏 AmazonのBezos氏退任

Amazonの文化を体現するJassy氏

 Andy Jassy氏は53歳。「社内でよく知られており自分と同じぐらい長くAmazonにいる」(Bezos氏)という。1997年にハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得して即、Amazonに入社。以来、23年間、Amazon一筋の生え抜きだ。性格は穏やかで、人の話に耳を傾けるとの人物評もある。

 契機となったのは、CEO直属のテクノロジーアシスタントに就任した翌2003年。Bezos氏とのブレインストーミングの中で、クラウドコンピューティング構想に行き着いたという。その後の快進撃は広く知られている通りだ。

 Bezos氏がJassy氏を後任に選んだのも、ローンチから14年間でクラウドをここまで成長させた手腕を買ったためだろう。Bezos氏は2016年に改組を行い、Jassy氏をAWSのCEOにしていた。

 Amazonの次期CEOには、同時にコンシューマー部門のCEOに就任したJeff Wilke氏とする見方もあったようだが、同氏は昨年、2021年第1四半期での退任を発表した。こうしたことからも今回のJassy氏のトップ就任は自然だと受け止められているようだ。

 Amazonに早期から出資している地元シアトルのベンチャーキャピタル、Madrona Venture GroupのMatt McIlwain氏は「外部の者がJeff(Bezos氏)の後を継ぐのは不可能に近い。(Amazonには)文化的な考えや方針がたくさんあり、順応するのは簡単ではない。Andy(Jassy氏)はAmazonの文化を体現している」と、Wall Street Journalに語っている。

 またForbesは、Wedbush Securitiesのアナリスト、Dan Ives氏の次のようなコメントを紹介している。「AWSとJassyは門番(ゲートキーパー)だ。Jassyはクラウドとテック分野だけでなく、ビジネスの世界で最もパワフルなリーダーの1人だ」

 AWSのトップの後任については、Peter DeSantis氏(AWSグローバルインフラ担当バイスプレジデント)や、Matt Garman氏(同営業担当バイスプレジデント)らの名前がうわさされているという。