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SalesforceとSlackが買収交渉 “共通の敵”Microsoftに挑む
2020年11月30日 10:00
SalesforceがSlackとの間で買収交渉――。感謝祭を前に、ソフトウェア業界のビッグニュースが飛び出してきた。ビジネス向けSaaSの草分けとチャットツールの組み合わせは、新型コロナの中での一つの方向を示しているようだ。いずれもビッグネームの両社が手を結ぼうとする背景には、共通の敵Microsoftの存在がある。
コミュニケーションのSlackとCRMのSalesforce
第一報を報じたのは11月25日付のWall Street Journalだった。関係者の一部の話として、両社が買収について高度なレベルの話し合いを行っており、数日のうちに合意に達する可能性があると伝えた。
Salesforceは12月1日に第3四半期の決算発表を行う予定であり、それまでに取り引きが成立するかもしれないとした。ただし、確定ではなく、合意に達する保証もないとも記している。
この時点のSlackの時価総額は約170億ドル。これに対し、Salesforceの市場価値は2300億ドルに達し、十分な資金力もあるという。
交渉が成立すればSalesforceにとって最大の買収になるのは間違いない。同社のオフィスコミュニケーションへの積極的な進出を示すものとなる。
報道を受けて、Slackの株価は32%はね上がり、Salesforce.comの株価は4%下落した。
買収交渉の報に各メディアも一斉に後を追った。Financial Timesは、Salesforceの創設者でCEOのMarc Benioff氏が最近、複数の買収先を検討していたとの関係者の話を伝えている。