Infostand海外ITトピックス

次の“破壊”ターゲット? Amazonのオンライン処方薬局

 Amazonがオンライン薬局サービス「Amazon Pharmacy」を米国で開始した。新たに処方箋が必要な処方薬を取り扱い、有料会員「Prime」向けの割引も提供する。米国は新型コロナの感染拡大が止まらず、郵送での医薬品受け取りが増えている。このタイミングでの参入は、大きなインパクトになりそうだ。

オンラインで処方薬を注文

 11月17日に発表された新サービス「Amazon Pharmacy」は、処方医薬をオンラインで販売するもので、顧客は自宅にいながら薬を受け取ることができる。医療保険情報を入力することで適用が受けられ、複数の製薬会社の医薬品の比較機能も備える。

 取り扱うのは、インシュリン、ステロイド外用薬のトリアムシノロンアセトニド、経口糖尿病治療薬のメトホルミン、片頭痛でよく処方されるスマトリプタンなどだ。

 米国では多様な薬がオンラインで購入でき、処方薬も対象だ。医療費が高く、ほとんどの人がドラッグストアで薬を購入するため市場は大きい。そこにAmazonが乗り込むことになる。

 Amazonは有料会員サービスのPrime会員向けには、2日以内の無料配達サービスを提供する。また、保険適用がないPrime会員には、ジェネリック医薬品で最大80%、後発医薬品で最大40%の割引を提供するという。

 Wall Street Journalは、2018年の米国の処方薬の売上高が3360億ドルだったとのヘルスケア調査会社のデータを紹介。そのうちオンライン販売はまだ5.8%にすぎないが、急成長中という。

 Amazonはプレスリリースで「Amazon Pharmacyの顧客は価格の比較、医薬品の購入、自宅への配達注文をワンストップでできる」と説明している。