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Google vs 司法省 約20年ぶりの大型IT独禁法訴訟に

 米司法省がついに、Google(Alphabet傘下)を独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いで提訴した。長期間にわたって準備を進めてきたもので、同社が検索サービスとオンライン広告での独占的立場を不当に維持していると主張する。同省が1998年に開始した対Microsoft以来の大型独禁法訴訟で、長期化も予想される。

「独占的なインターネットの門番」

 司法省と11の州が10月20日、ワシントン連邦地方裁判所に訴状を提出した。Googleが検索サービスおよび検索広告での独占的立場を不当に維持していると主張。特にインターネット検索で大きな割合を占めるモバイルでの反競争的行為を重視している。

 内容は、ライセンスするAndroid OSなどでの「競合する検索サービスのプリインストールを禁止する独占契約」、「モバイル端末の目立つ場所に自社の検索アプリを強制的にプリインストールさせ、削除できなくする抱き合わせや取り決め」があるとする。

 また、「モバイルOSで競合関係にあるAppleと長期契約を結び、ブラウザSafariや検索ツールに、Googleをデフォルトの検索エンジンとするよう要求」したと主張。この契約で、Googleは毎年、Appleの年間売上の15~20%に相当する80~120億ドルを支払っていると推計している。

 司法省がGoogle訴追の準備を進めていることは昨年春ごろから報じられてきた。今回の訴状は「世界数十億人のインターネットユーザーと無数の広告主にとってGoogleはインターネットの門番(gatekeeper)」であり、「反競争的なやり方で検索と検索広告における独占を維持・拡大した」と記している。

 これに対し、Googleの最高法務責任者Kent Walker氏は「人々はGoogleを選んで使っている。強要されているのでも、代替がないからでもない」と反論。訴訟は消費者のためにならず、「深い欠陥」があると批判した。

 この「消費者のため」は、大きなポイントになる。