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SASとMicrosoftが提携 アナリティクス大手を同盟に加えたAzure

 古参アナリティクスベンダーのSAS InstituteとMicrosoftがクラウドでの提携を発表した。Microsoft AzureがSAS Cloudの推奨クラウドとなるほか、MicrosoftのアプリケーションとSASアナリティクス技術の統合も進める。Microsoftが次々と決めているエンタープライズソフトウェアベンダーとの提携の最新のものだ。

SASアナリティクスをAzureで

 1976年の創業で、アナリティクス分野を開拓してきたSAS Instituteは6月16日、年次イベント「SAS Global Forum 2020」に合わせてMicrosoftとの提携を発表した。

 両社のプレスリリースによると、SASのアナリティクス製品および業界別ソリューションを動かすクラウドとしてAzureを推奨クラウドにし、SAS技術のAzure上での実装と動作を確実にするよう取り組む。これらを通じて、顧客がSASのワークロードをクラウドに移行するのを支援する。

 また、業務アプリケーション「Dynamics 365」、生産性スイートOfficeを含む「Microsoft 365」、そしてノーコード開発プラットフォーム「Power Platform」といったMicrosoftのクラウド製品とSASアナリティクスとの統合も進める。これによってアナリティクスをより身近に、気軽に使ってもらうことを狙う。

 さらに、協力して、業界に特化した共同ソリューションの開発も進める。既にAzure IoTプラットフォームと、SASのIoTアナリティクスとAI機能を組み合わせ、エッジデバイスが生成する大容量データの処理と活用のソリューションを構築済みだ。SASの本拠地であるノースキャロライナ州キャリーでは、この共同ソリューションを利用した洪水予想も始まっているという。

 提携は技術面だけにとどまらず、共同での販売やマーケティングも進めていくとしている。SAS自身もMicrosoft 365やDynamics 365などのMicrosoft製品を導入する。