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“アフターコロナ”見据え Alibabaがクラウドに282億ドル投資

ハイパースケール・クラウドには追い風

 新型コロナとの戦いは、いまだ終わりが見えないが、ICT業界では“アフターコロナ”を見据えた動きも出始めている。Synergy Research Groupのチーフアナリスト、John Dinsdale氏はCRNのインタビューで、新型コロナでクラウド需要が高まっていると指摘する。

 「予想ができないことはたくさんある。だが確実に言えるのは、ハイパースケール(=クラウド)事業者はクラウド、デジタルサービス、オンラインでのアクティビティから、ゆうに80%をクラウドから得ているということだ。ソーシャルとビジネスの行動における極端な変化が、これらハイパースケール事業者に実質的な追い風となっている」

 実際、新型コロナは、Amazon、Google、Facebookなどの大手クラウド事業者にとっては、危機的な状況をもたらしてはいないという。CRNは、これらの企業が引き続き投資を行うと予想している。

 Market Watchが引用したInstinetのレポートもクラウド移行の加速を予想している。Instinetが3月中旬に50人のCIOに聞いたところ、「IT支出の投資が減速する」(46%)と回答するなどIT投資へのマイナス影響がみらえる。しかし、その中でも、優先的に投資する技術として「セキュリティ」(86%)、「クラウドサービス」(68%)が挙がるなど、クラウドの重要度はむしろ高まっている。

 これらの調査結果を受け、Instinetは「クラウド、中でもパブリッククラウドへのシフトが起こっている」と判断。オンプレミスで動くワークロードは、2019年は59%だったが、2021年には35%まで縮小すると予想している。