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AppleとGoogleの「接触追跡」が始動 感染拡大をどう食い止めるのか?

大きな期待と課題

 Apple/Googleの取り組みについて、Bloombergは「大きなニュースだ」と興奮気味に報じた。接触追跡技術は感染拡大の阻止に効果があるとし、「パンデミックの拡散を効果的に緩和できる初の動き」と位置付ける。

 Wiredは、ハーバード公衆衛生大学院Michael Mina助教授の「これが未来だ」「デジタル情報があれば、友だちの家を訪問してリスクにさらすだろうか?」とのコメントとあわせて、冷静な分析も紹介している。

 ワシントン大学のコンピュータサイエンス教授Sham Kakade氏は「このモデルが機能するのは、陽性よりもはるかに多くのケースを検査した時だ」と言う。多くの国で検査は自覚症状のある人が受けているにすぎず、米国の場合、検査を受けた人は人口の1%にも満たない、と指摘する。そして接触追跡が機能するためには「健康に見えるが陽性の人」を識別することが重要だという。

 また、より多くの人の参加が必要でもある。スタンフォード大学とウォータールー大学が共同で進める追跡プロジェクト「Covid-Watch」によると、接触追跡アプリが威力を発揮するには、人口の50~70%をカバーしていないといけないという。

 AppleとGoogleの計画では、共通のAPIを公開して、健康・衛生当局に利用するアプリを作成してもらう。さらに将来的に、OSそのものに組み込むとしているが、それまではアプリを入手して機能をオンしてもらわねばならない。

 そして、プライバシーの問題がある。