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Salesforceはどこへ行くのか 共同CEOのBlock氏退任とVlocity買収

Vlocity買収でエコシステムを推進

 Vlocityは、Salesforceプラットフォーム上で「最大かつ最も急成長しているSalesforceネイティブISV(独立系ソフトウェアベンダ)の1つ」(diginomica)という。多くのSalesforceベースISVが特定業界向けソリューションを提供しているのに対し、複数業界向けのソリューションを開発しているのが特徴だ。

 「もしVeevaが最初の特定業界向けクラウド企業なら、Vlocityは、最初のマルチ業界クラウド企業だ」(同社のDavid Schmaier CEO)と鼻息も荒い。なお、Veevaはライフサイエンス業界に特化したクラウドコンピューティング企業で、Fortuneの「急成長企業100社」にも選出されている。

 Salesforceの状況はどうだろう。その戦場は「小規模企業がより多くの市場ニッチを占有し、AmazonやGoogleなどの大規模クラウド企業が常に自社製品を拡大している世界」(Forbes)だ。同社はこれに対応するため、戦略的に機能追加を続けている。

 データビジュアライゼーションのTableau買収(157億ドル)や、Mulesoft買収(65億ドル)でデータとアプリケーションを統合してきたのもその一環だ。

 diginomicaは、Vlocity買収もその延長線上に位置づける。同社を取り込むことによって「Salesforceは、業界クラウドの足場をさらに拡大し、新しい燃料を送り込んで継続的な成長軌道に乗ることができる」と言う。

 もうひとつ、Vlocity買収には大きな効果がある。何度となくうわさの出てきた他社によるSalesforce買収が遠のくことだ。