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政府クラウドの本格化にらむ インドでのグローバルベンダーたち

Microsoft、Googleも活発に

 インド政府部門のビジネスを見込んで、もちろんライバルも動いている。

 Microsoftは8月末、政府・公共部門の職員5000人を対象に、12カ月間のクラウドとAIのトレーニングを無償提供するプログラムを来年実施すると発表した。“将を射んと欲すればまず馬を射よ”ということだろう。

 Microsoftは2017年に3種のクラウドモデル(パブリッククラウド、仮想プライベートクラウド、政府コミュニティクラウド)で、初めて「インド電子情報技術省(MeitY)」の認定を受けたグローバルプロバイダーといい、“政府調達に強いベンダー”をうたっている。

 トレーニングプログラムは、同社の政府関係者向けテクノロジーイベント「Digital Governance Tech Summit 2019」で発表したものだが、基調講演には、政府系シンクタンク「Niti Aayog(National Institution for Transforming India)」のCEO、Amitabh Kant氏を迎えていた。Niti Aayogは、政府の政策に大きな影響を与え、Kant氏はそのキーマンといわれる。

 Kant氏には、AWSも先のイベントの前後にTeresa Carlson氏が会談したと伝えられている。「精密農業」あるいは「精密圃場管理」と呼ばれるデータドリブンな農業分野について、クラウドを売り込んだという。

 一方、Google Cloud IndiaのディレクターNitin Bawankule氏は今年7月、政府部門クラウドを攻略する機が熟してきた、とEconomic Timesに語っている。Googleは2017年末にGCP(Google Cloud Platform)のムンバイ・リージョンを開設している。

 Bawankule氏は「われわれは、まだ巨大な市場の機会の表面をなでているにすぎない。Google Cloudはまもまく政府の垂直市場向けの専任営業部隊を立ち上げるだろう」と、市場攻略を本格化させることを宣言した。ただ、Bawankule氏は今月17日になって、Googleを退職してDisneyの子会社に移籍すると報じられている。計画の今後は不透明だ。