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大市場ヘルスケア狙うApple ライバルも活発な動き

 新型iPhoneのニュースで賑わう中、いくつかのメディアは、地味ながらAppleの野望とも言える発表に注目した。カギはiPhoneではなくApple Watch。ターゲットはヘルスケア分野だ。Appleだけではない。最近、Google、Microsoft、Amazonもそれぞれ動きをみせている。

健康に関する3種の調査をApple Watchで実施

 Appleの9月10日の発表によると、Apple Watchユーザーの同意を得ながらアプリ経由で健康に関するデータを収集して、大学や研究所などの機関と共有。「医療分野での新たな発見」や「革新的なヘルスケア製品の開発」を目指す。

 実施するリサーチは、婦人科にフォーカスした「Apple Women's Health Study」、心拍数と活動に関する「Apple Heart and Movement Study」、聴覚についての「Apple Hearing Study」の3種類がある。

 例えばHearing Studyではミシガン大学と協力し、騒音などの音環境が聴覚に与える影響を調べる計画。「この種の研究で初のデータ収集」と説明する。年内にApp Storeから無償配布する専用アプリ「Research」経由でデータを集める計画だ。

 Apple Watchは既に健康関連のリサーナを手がけており、循環器系の調査に40万人以上の人が参加した実績があるという。AppleのCOO、Jeff Williams氏は新しいプロジェクトについて、「これまでにない大規模の参加者を得てヘルスケアにコミットするものだ」とコメントしている。

 Forbesに寄稿するテクノロジーライターJessica Baron氏は「ヘルスケア企業としてのApple」というタイトルでAppleの一連の動き取り上げ、「Appleは何年も前から、ヘルスケアとウェルネス分野への野心を抱いてきた」と指摘する。

 CEOのTim Cook氏は今年1月、「いつの日か将来、今の時代を振り返って『Appleの人類への最大の貢献は何か?』と問われたら、ヘルス(健康)が答えになるだろう」とCNBCのインタビューで述べている。