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VMwareのPivotal買収 マルチクラウドに向け開発者重視へ

 VMwareが、Pivotal Softwareを買収すると発表した。Pivotalはもともと同じ親会社を持つ企業だ。PaaSで知られ、VMwareがこのところ繰り広げている買収戦略の中でも特に目を引く。仮想化からマルチクラウドへと守備範囲を拡大する同社の戦略上でも重要なポイントになりそうだ。

同じDell Technologies傘下の企業買収

 両社の8月22日の発表によると、買収額は約27億ドル。現金と株式の組み合わせで、VMwareはPivotalのクラスA株を保有する一般株主に1株当たり15ドルの現金を支払う。

 VMwareは買収によって、Pivotalの開発者の経験と資産を獲得し、Kubernetesインフラストラクチャで最新のアプリケーションを迅速、効率的に構築・管理する製品やサービスのポートフォリオを提供できるとしている。

 両社が買収協議を進めていることは、親会社のDell Technologiesが証券取引所に提出した書類から明らかになった。8月16日の段階で両社とも認めており、発表は正式な合意締結が完了したことを公表したものだ。

 PivotalはクラウドベースのソフトウェアやPaaS技術を開発している。中でも「Cloud Foundry」の取り組みがよく知られており、「Pivotal Cloud Foundry」として提供。オープンソース版では非営利団体「Cloud Foundry Foundation」も立ち上げている。

 Pivotalは、もともとVMwareと親会社のEMCがスピンアウトした企業だ。現在もVMwareはPivotalの株式の16%を保有。また、EMCを買収したDellも約半分の株式を保有する。

 Dell Technologiesから見ると、2016年のEMC買収以来、PCクライアントのDell、サーバーやストレージのDell EMC、セキュリティのRSA、SecureWorks、IaaSのVirtustream、そしてVMware、Pivotalの7社の柱が、統合で6社になる形だ。