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富士通、川崎市と連携して「Fujitsu Technology Park」の再開発プロジェクトを開始
2025年6月3日 16:35
富士通株式会社は2日、神奈川県川崎市と連携し、「Fujitsu Technology Park」の再開発プロジェクトを開始すると発表した。
Fujitsu Technology Parkは、富士通創業の精神を継承しつつ、最先端のテクノロジーの実証実験や、環境への取り組み、スポーツ・健康の体験価値の提供などのエリアを段階的に拡充していくことで、2035年の富士通創立100周年に向けて再開発を進めていく。
富士通は、創立当初からの主要拠点である川崎工場(現Fujitsu Technology Park)について、富士通の研究開発の主要拠点にふさわしい環境に整備していくため、2011年に再開発計画を開始したが、2015年に計画見直しのため一時中断し、現在は老朽化した建物の解体などを進めている。
その間、富士通は創業の地である川崎市の持続可能な未来都市実現に向けた取り組みなどを推進し、川崎市との連携を強化してきた。また、2024年度上期には、研究開発機能やコーポレート機能をFujitsu Technology Parkに集約し、本社機能を移転した。2025年1月には、量子コンピューティングの研究開発戦略の一環として、世界最大規模の1000量子ビットの超伝導量子コンピュータ展示施設となる量子棟の建設を開始し、2026年度の完成を目指して推進している。
再開発プロジェクトでは、「Open Innovation&Technology Park」をコンセプトに、自治体、地域社会、研究・教育機関をはじめとするさまざまなステークホルダーをつなぎ、4つのまちをテーマにした敷地内の再開発を通じて、マテリアリティ(企業が持続的に成長するために優先して取り組む重要課題)への取り組みや、イノベーションが創発される地域に開かれたまちづくりを推進する。
4つのテーマのうち「豊かな環境を創造するまち」は、地域におけるサステナビリティを牽引するべく、自然共生や生物多様性の保全、レジリエンス強化に向けた緑化空間の創出など、多面的な取り組みが地域に波及していくことを目指す。
「テクノロジーで社会をひらきつながるまち」は、地域とともにイノベーションの創出・社会実装に取り組み、日々の暮らしを向上することを目指す。
「スポーツ、健康を中心に心身が満たされるまち」は、テクノロジーやデータの活用により、健康・スポーツによる新たな体験価値を創出し、人々のウェルビーイングに寄与することを目指す。
「創業の精神が息づくまち」は、創業の地、川崎に息づく創業の精神を継承し、Fujitsu Technology Parkの再開発を通じて、富士通グループだけでなく、行政機関や地域社会などのステークホルダーをつなぎ、マテリアリティへの取り組みを加速する。
敷地北西には、Fujitsu Sportsの新たな体験価値を提供するエリアを設け、Fujitsu Arena(体育館棟)を新設する。テクノロジーやデータの活用によって、誰もがスポーツを楽しめるエリアにするとともに、社内イベントや災害発生時の近隣住民向けの一時避難場所としても利用可能な複合用途施設を計画している。
また、Fujitsu Technology Parkのゲートウェイとして、顧客、社会、地域と当社をつなぐ多目的施設の新設とともに、敷地駅側の広場の整備を予定する。同施設は、Fujitsu Museumをはじめ、地域に開かれた空間として、多様な人々が集い、テクノロジーに触れて感動し、創造性と探求心を育み、新たなイノベーションの創出に寄与することを目指す。