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「Everything as a Service」 HPEのクラウド時代の生き残り策

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)が、3年後に「全ての製品をサービスとして提供する」との方針を打ち出した。ハードウェアベンダーからの大胆な転身と言え、リスクを伴う賭けでもある。クラウドの浸透は既存の構造に変換を迫り、HPEの生き残りをかけた戦いが続く。

全製品ポートフォリオをサービスに

 「HPEは“アズ・ア・サービス”カンパニーに転身する」。HPEは6月18日、開催中の年次イベント「HPE Discover 2019」でこう宣言した。3年後の2022年をめどに、あらゆる製品がサブスクリプションまたは従量課金で利用できるようになるというものだ。

 HPEのCEO、Antonio Neri氏はプレスリリースで、「市場は転換点にある。顧客は技術がサービスとして提供されるが、自分たちの条件に合うことを望んでいる。HPEがとる“アズ・ア・サービス”への独自のアプローチでは、顧客は選択肢、柔軟性、管理を手にできる」と述べている。

 中核になるのはHPEが2017年にスタートした「HPE GreenLake」ブランドだ。GreenLakeはオンプレミス向けに、プライベートクラウドソリューションなどを最適化しながら従量課金型で提供するサービス。データバックアップ、ビッグデータ、SAP HANAなどでスタートし、少しずつ拡充が進められている。

 1年前には販売チャネルを拡大してパートナーも提供できるようになった。今年のDiscoverイベントでは、中規模市場向けのGreenLakeとHPEのネットワーク事業「Aruba」向けのGreenLakeも発表している。

 これまでのようにハードウェアの買い取りを望む顧客に対しては、既存のモデルも継続するという。