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IDCフロンティア、1ラックあたり最大150kWのGPUサーバー設置に対応する「DLCハウジングサービス」を販売開始

 株式会社IDCフロンティアは7日、同社の「東京府中データセンター」において、直接液体冷却(DLC)方式のGPUサーバーに対応し、1ラックあたり最大150kWの電力消費に対応する「DLCハウジングサービス」の販売を開始した。また、10月に開業予定の「奈良生駒データセンター」でも販売を予定する。

 DLCハウジングサービスは、1ラックあたり最大150kWの電力消費に対応する環境を提供することで、最先端のGPUサーバーの設置に対応する。顧客が用意するCDU(冷却分配装置)を含むサーバーラック一式を設置できる環境を、最短納期2カ月間で構築する。

高負荷エリア床下配管
高負荷エリア リアドアと床下配管接続部

 DLC方式のGPUサーバーは、送水する設備水などの条件においてメーカーごとに仕様が異なるが、サービスではサーバーメーカー各社と連携し、顧客ごとに最適な設備水を利用できる環境を準備・提供する。このため、顧客は構築にかかる負担を少なく導入できる。サーバーメーカーは、Dell Technologies、HPE、Lenovo、QCT、Supermicroの各社と連携している。

 また、東京府中データセンターに加えて、10月開業予定の奈良生駒データセンターでもDCLハウジングサービスの提供を予定しており、国内においてAI計算基盤を東西に分配して配置できる。

 提供方式は、ラックごとの冷水の供給で、冷水温度やPhなど固有の条件に適した冷水の供給が可能なCustom DLCと、エリアまたはデータホールごとの冷水の供給で、大規模なサーバーの導入に適し、1ラックあたり150kWまでの冷却が可能なArea DLCに対応する。

Custom DLC
Area DLC

 IDCフロンティアでは、2022年3月に東京府中データセンターにおいて、リアドア型空調機を搭載した専用ラックを提供する「高負荷ハウジングサービス」を開始し、GPUサーバーの安定運用に取り組んできた。今回のDLCハウジングサービスは、これまでの知見と運用実績をもとに、さらに進化させたもので、今後ますます高度化するAIデジタルインフラのニーズに対し、ソフトバンクが掲げる「AIと共存する次世代社会インフラ」の実現に向け、安心して利用できる環境の提供に努めていくとしている。

IDCフロンティア 東京府中データセンター外観
IDCフロンティア 奈良生駒データセンターパース図(2025年10月開業予定)