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VMwareがKubernetesベンチャー「Heptio」を買収 マルチクラウド化を加速

マルチクラウドトレンドの中心になるKubernetes

 Kubernetesは先のIBMによるRed Hat買収でもキーワードとして登場した。コンテナのオーケストレーション技術としてGoogleで生まれ、Linux FoundationのCloud Foundry Foundation(CNCF)にプロジェクトが移管された後、開発が進められている。

 調査会社Redmonkが2017年に発表したレポートによると、Fortune 100企業の71%がコンテナを利用し、過半数がKubernetesを使ってコンテナオーケストレーションプラットフォームを構築しているという。

 レポートを紹介したSDxCentralは、「Kubernetesは興味の対象からメインストリームで受け入れられる技術になった」というRedmonkの共同創業者、Stephan O'Grady氏のコメントを引用している。O'Grady氏は「Kubernetesプロジェクトは成功を収めており、コンテナ実装戦略で競合する企業やプロジェクトですら採用している」と続けている。SDxCenteralはまた、「KubernetesはOpenStackを置き換える可能性もある」というCNCFのエグゼクティブディレクターの見解も紹介している。

 VMwareは、同じくDell Technologies傘下のPivotalや、Googleと共同開発したKubernetesディストリビューション「Pivotal Container Services(PKS)」を2017年夏に発表。今年6月には“Kubernetes as a Service”と位置付けるVMware CloudのKubernetesサービス「VMware Kubernetes Engine(VKE)」を発表するなど、Kubernetes関連の取り組みを展開してきた。

 またマルチクラウド管理では「VMware Cloud Foundation(VCF)」として、コンピュート、ネットワーク、ストレージの管理と配備のための基盤技術を持っている。

 VMwareのクラウドネイティブアプリ事業部ゼネラルマネージャー、Paul Fazzone氏は「この動き(Heptio買収)は守りではない」「Kubernetesはマルチクラウドインフラ向けのオープンなフレームワークとして台頭しており、企業はその上でモダンなアプリケーションを動かすことができる」と狙いを語っている。