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IntelのCEOが「不適切な関係」で辞任 背景と今後は
2018年7月2日 11:10
MeTooで神経質になる企業
Krzanich氏の辞任は、2017年からハリウッドを中心に広まっている「Me Too」の流れで報じられている。Wall Street Journalは「職場での不適切な行動にスポットライトが当たっており、上級管理職や政治家が辞任に追いやられている」とする。
「Intelからの教訓。時代は変わりつつある」と題した別の記事では、Krzanich氏がTwitterでLGBTQに理解を示し、シンボルのレインボーのチョコスプレーがかかったドーナッツを注文したことをツイートしていたなど、多様性(ダイバーシティ)に配慮を見せていたことに触れる。
「Krzanich氏の36年のキャリアを知っている人にとって、従業員との不適切な関係という内規違反で辞任するのは驚きだが、企業のトップの一挙手一投足が細かく精査される時代では、しばしば起こることだ」と同紙は言う。
コンサルタントECS Groupの社長、Charles Story氏は「(経営者は)自分の置かれている立場を理解する必要がある」とした上で、「やること、言うこと、書くことは全て、人の目により分析され、評価される」とする。CEOはこれを理解しておく必要があるが、実際は多くのCEOが認識できていないと続けている。PwCの調査では、2011年-2016年の間にモラルの問題で解任されたCEOの数は、その前の5年間(2007年-2011年)と比べて36%増えているという。
有名なところでは、Uberの創業者で元CEOのTravis Kalanick氏の例がある。同氏の辞任の要因には、社内のセクハラや運転手の扱いなどもあったと言われている。またアパレルGuessの共同創業者も、モデルからMe Tooの告発を受け、社内調査を経て、来年に辞任することが決まっている。
Intelの社内恋愛禁止規定は2011年に導入されたもので、管理職と部下の直接または間接的な性的または恋愛関係を禁じている。Washington Postは、雇用問題を専門とする弁護士の「アンチハラスメントポリシーを行動規範に加える企業が増えている」とのコメントを紹介。社内恋愛禁止規定のようなものは、「比較的一般的になってきた」と述べている。