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Facebookが“出会い系”参入 データ不正利用への「謝罪なし」との声も

若いユーザーの獲得にテコ入れ

 市場は即座に反応した。写真で好みの相手を探す「Tinder」や、老舗の「Match.com」「OKCupid」などを有するMatch Groupの株価は22%下落。Match Groupの親会社InterActiveCorp(IAC)も18%安となった。ユダヤ系向けマッチングサービス「JDate」や、キリスト教徒向けの「Christian Mingle」などを有するSpark Networksの株価も7.3%下落。先行ライバルは軒並みFacebookショックを浴びた。

 Match GroupのCEO、Mandy Ginsberg氏は声明で、「多くの個人情報や機密情報を扱う分野であることを考えれば、このタイミングは驚きだ」としながら、「このカテゴリはどれよりいいものだ。Facebookの参入は、同分野のすべてに活気を与えるだろう」と述べている。

 またIACのトップ、Joey Levin氏は、ロシアが関与したデータ不正流用が取り沙汰されていることを当てこすりながら、「Facebookの出会いサービスは、米国とロシアの関係にとって良いものになるだろう」と皮肉った。New York Timesが伝えている。

 では、Facebookはデートサービスで成功できるのだろうか? 勝算は十分にある。なんと言っても抱えている独身ユーザーは2億人と巨大で、潜在性は極めて大きい。

 TechCrunchは今年2月の時点で、Facebookはデートサービスに拡大すべきと主張していた。米国でも結婚の相手に出会う場は少なくなってきており、Facebookが「意味のあるやり取り」を追求するなら出会いのための機能こそが必要だというものだ。そして「他のデートアプリと違って、相手を見つけることができたとしても、ユーザーがFacebookを去ってしまうこともない」と強みを解説する。

 Facebookには大きな期待をかけた機能だ。Reutersは、「若いコンシューマーの人気を集められる」「サイトを訪問する頻度を改善できる」という2つの可能性を指摘する。若いユーザーからの人気がないこと、サイトの訪問時間の減少は、ともにFacebookが以前から抱えている課題だ。

 一方で、Tech Crunchは「(本業の)ソーシャルネットワークと新しいデート機能との間にしっかりした壁を作る」という課題があるとも指摘する。