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Facebookが“出会い系”参入 データ不正利用への「謝罪なし」との声も

Facebook的な責任の取り方はサービス継続

 3月に明らかになったCambridge Analyticaのユーザーデータ不正利用では、8700万人に影響が及んだとFacebookは認めている。Zuckerberg氏も下院委員会で証言するなど、対応に追われた。

 そのすぐ後となったF8では、デートサービスや、単体で動作するVRヘッドセット「Oculus Go」、Instagramのビデオ通話などの拡張などに加え、「Clear History」と呼ぶ履歴消去機能も発表された。Facebookと情報共有している外部Webサイトやアプリの閲覧履歴の確認・消去がワンタッチでできるという。

 だがF8の模様をレポートしたEngadgetは、Zuckerberg氏がオープニングの基調講演で、Cambridge Analyticaの問題にはほとんど触れずに製品発表を始めたと伝えている。また、開発者にプライバシー問題を聞こうとしたが、「数千人の開発者がいるのに、データの不正利用に関する話になると、皆黙り込んだ」とこぼしている。

 MIT Technology Reviewは、Zuckerberg氏の基調講演中に「Sorry」といった謝罪の言葉は一度も出なかったとしている。F8前には、この場で一種の謝罪会見をするかもしれないとの観測も出ていた。Cambridge Analyticaは、F8が終了した翌日に廃業を発表した。

 Wall Street Journalは、Zuckerberg氏が「われわれが考える責任とは、継続して安全にし、(サービスを)構築することだ。われわれは今後も構築を続ける」と述べたことを伝えながら、「『ユーザーのプライバシー保護のために、製品の構築を自制する必要はない』は、Facebook幹部の共通の口癖」と同社の姿勢に変化がないことを指摘する。

 Facebookのデートサービスは、2018年後半にトライアルが始まる予定だ。