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Facebookの個人情報提供問題 データビジネスのあり方に一石

非難の中、口を開くZuckerberg氏

 CAが激しい非難にさらされているのはもちろんだが、Facebookも、かつてない厳しい事態に直面している。同社の株価は報道を受けて約9%急落、時価総額370億ドルが吹き飛んだ。

 Kogan氏とCAについて、Facebookは3月16日、規約違反があったとしてアプリを削除し、データの破棄を要求したと発表していた。そこへWylie氏の暴露が飛び出した。さらに別の元社員からもFacebook側の責任を裏付けるような証言が続く。

 データ管理・コンプライアンス担当の元社員が英下院の委員会に呼ばれ、同社がデータの不正利用や、ユーザー承諾なしの保存が行われていることを認知していたと証言した。元社員は、同社が成長優先だったと述べた、とBBCが伝えている。

 ユーザーからは激しい抗議の声が上がっている。Facebookに買収されたWhatsAppの共同創業者Brian Acton氏はツイッターで、「#deletefacebook」(Facebookアカウントを削除しよう)というハッシュタグを付けて、抗議を呼び掛けた。BBCによると、このハッシュタグは2日間で5万を超え、歌手のCherがアカウントを停止。その後、Elon Musk氏も、TeslaとSpaceXのページをFacebookから削除するなど広がっている。

 同社の共同創業者兼CEO、Mark Zuckerberg氏はこの騒ぎの中で沈黙を守っていたが、ついに5日目に、Facebook上で発言。「何が起こったのか、どうやって今後同じようなことが起こらないかについて作業していた」と釈明した。

 Zuckerberg氏は今回の件を「Facebookとユーザーの間の信頼を裏切るものだった」として、直ちに全アプリのチェックを行うと約束した。今後の取り組みとしては、開発者のデータアクセスを制限すること、3カ月以上アクティベートされていないアプリのユーザーデータにはアクセスできないようにすること、などを挙げている。