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「Windows 10 S」ついに発表、Windowsの新しい挑戦
2017年5月8日 11:32
企業顧客にとっても魅力か
教育向けをうたうWindows 10 Sだが、それだけではないとの見方もある。Computerworldは視点を変え、エンタープライズ(法人)にも訴求できるとの専門家の声を紹介している。
例えばTechnalysis Researchの首席アナリストは、「エンタープライズ向けのものがある。クリーンなシステムを求めている企業は少なからず存在し、Storeから入手したアプリしか動かせないこと、管理がシンプルなこと、高速に起動すること、バッテリー持続時間が長いことなどの特徴は、企業にとっても魅力的なはずだ」と述べ、Jackdaw Researchのアナリストも「デバイスが安く、管理も簡単で、ウイルスも入りにくい」と企業が魅力に感じるポイントを挙げている。
Microsoftにフォーカスしたコンサル・調査を手がけるDirection on Microsoftは、Windows 10 Sのモデルが、AppleがiPad/iPhoneでとっているモデルと似ており、「機能が固定されたデバイス、iPadのようなデバイスを導入したいと思っている顧客は多い」と指摘する。またIDCのアナリストは、コールセンターなどの業務分野にはWindows 10 Sが適しているだろうとコメントしている。
Business Insiderは、CEOのSatya m Nadella氏の戦略を分析し、Windows 10 SとSurface LaptopをMicrosoftの“マスタープラン”と表現する。
同社は自社ハードウェアと教育市場への挑戦では、従来の戦略の限界に直面している。だが、今回の製品が成功すれば、Windows OSの将来にもつながっていくというのだ。例えば、制限だと感じられるWindows Storeも、Windows 10 Sの人気が出てくれば、Windows Storeのアプリの数も増えるとみる。また、Bing、Edgeの利用押し上げ効果も期待できるという。
「Windows 10 Sは同社の転換点にやって来た。Microsoftは、Windows 10で、クリエイティブをはじめとするパワーユーザー向けプラットフォームであるAppleの地位に挑戦してきた。だが、米国の教育市場ではChrome OSが最も人気のあるOSとして君臨している。Windows 10 Sは、この挑戦への答えとなる」
そしてこう結んでいる。「Microsoftは今、ステップアップして、勝ち進むことを証明しなければならない」